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【4限目】不動産事業の銀行開拓

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目次
 

前回、3限目では実際に現地に行って建物を大工さんたちと一緒に建物を見てどういうところを直していこう、という打ち合わせの部分を詳しく説明しました。特にアパートではどこの会社に管理をお願いするかということが頭に浮かびながら家に帰れると理想ですね、とお話ししました。


今日は4限目ということで、銀行開拓についてお話します。

銀行の融資を使う、お金を人から借りて物件を買える、というところが不動産の良いところです。不動産投資において銀行というのは非常に大きなトピックになります。


 

1.概要:銀行開拓のポイント


銀行開拓は与信を資産に変える活動

サラリーマンでも自営業でも真面目に働いていて、収入を得ているということは人のために働けるということであり、与信があります。それをあてにして銀行はお金を貸してくれます。


例えば自分の法人を作った時に、その法人に与信はありません。生まれたばかりの赤ちゃんなので信用がありません。しかし、だんだんその会社で物件を買って決算をして、利益をだして、税金を納めると、赤ちゃんだった与信が、日を追うごとにだんだん大きくなってきて自分個人の与信を超えることになります。


きこり先生の場合は、もともと個人の与信を見られていて、法人の与信はほとんどなかった赤ちゃんから、今では法人の方の与信を見せてくださいと言われるほど成長しました。個人の与信はお金を生んでくれないけど、法人の与信はお金を生んでくれるようになりました。


このように与信を信用に変えていくというのが銀行です。


融資は不動産事業の肝になります。ここを制せばお金を借りることができて、事業をして利益を出せます。

また、借りたお金を毎月返していくことで、信用が上がります。いつか借金もなくなります。


例えばサラリーマン大家さんが頑張って物件を買って直していったのが、だんだんその借金が減ってきて0になると、サラリーマンプレーから地主プレーになっていきます。それを担保に入れてまたお金を借りることもできるし、家をつぶしてコンビニを建てることもできます。つまり、選択肢が増えていきます。


街を歩いていてもなんで一等地に駐車場があるんだろうと、考えていたのですが、そういう人は何も建てなくていいやといった地主プレーになります。地面がお金を生んでくれるということになります。だんだんそのように収入源が変わっていくのも不動産の良いところだと思います。


銀行開拓で自分のエリアを広げる

銀行というのは営業エリアが決まっています。例えばその銀行から融資をもらう場合は、融資が使えるようになったとしても、そのエリアからは出にくくなります。


なので銀行を開拓することで自分のエリアを広げていってほしいなと思います。


電話とFAX/メールでスクリーニングし、面談で話を進める

FAXという文字に驚くかもしれませんが、地域の金融機関は未だにメールが使えません。

FAXを持っていない方はもちろんいらっしゃると思います。ですが、eFAXなどのFAXサービスもあり、番号を取得して自分のメールを打つと、FAXで送ってくれます。こういったサービスを自分で調べて使うとよいと思います。


基本は電話して資料をFAXやメールで送って銀行を選んでいって最後は面談をして話を進めていくというのが大きな流れになります。


必要書類を用意して一発で出すことが大事

基本資料一覧はヤモリ添付資料の中にまとめているので、ダウンロードして見てみてください。


追加で銀行や金融機関によって資料請求があるかもしれません。その場合はあとから提出しても大丈夫です。しかし、基本的な資料は一発で出さないと忙しい銀行員さんが何度もあの資料ください、この資料くださいなどやりとりすることになると、時間もかかるし、銀行員さんにとっての優先順位も下がります。


そうではなく、きこり先生の場合は法人歴も長いので本のようにはなりますが、それを丸々そろえて提出しています。そうすると、銀行員さんも受け取ってくれて、全部できますとすぐにやり取りが進みます。


銀行のルールに従う

結局お金を出してくれる人が一番偉く、我々はお金を借りて事業をする立場なので、銀行のルールに従ってください。


例えば、資料を請求されたらすぐに提出します。銀行は手数料で利益を上げたいときもあるので、付き合いでこういう投資信託を買ってくれないか、クレジットカードを作ってくれないかということであればすぐに作ります。お金がかからないのでやります。こういった些細な付き合いで自分の与信が資産に変わるので、実行します。


次から銀行開拓について詳しく見ていきます。

 

2.銀行を知ろう


普段から銀行は利用すると思いますが、お金は預けに行くところのようなイメージがあると思います。銀行にお金を預けるしかない人はあまり支出は拡大しないだろうなと思います。0限目で書いていますが、銀行がこれだけ低い金利で融資を受けられるのは非常に恵まれた環境だと思います。是非お金を預けに行くのではなく、お金を借りに行く立場になってください。


銀行とはどういうものなのか詳しく見ていきましょう。


①銀行は超薄利商売

例えば先生が借りている銀行は金利1%とか1.5%とかになります。銀行は1億円貸してくれても銀行にとっての利益は100万円なんですね。すごく利益率が低いです。つまり不動産事業に対する融資は非常に銀行にとって利益率が低いので銀行は融資に慎重になります。


よく言うのが、10行中1行開拓できれば御の字です。30支店電話してダメな時もあるくらいです。


②銀行は人柄・事業を見る

そして銀行は基本的には投資には融資をしません。

銀行にとっては1%しか利益がでないので、投資ではなく、不動産事業であるとして融資を受けましょう。


銀行は世のため人のために働き、収入を得られる人なのかという部分、人柄を見ているのできちんとそこはアピールしてください。


③銀行にはエリアがある

街中を歩いていても銀行はたくさんあるのですが、銀行にはヒエラルキーがあります。

一番大きく、全国に支店を持っている銀行は都市銀行です。

例としては三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、などですね。こういう銀行は全国に支店があるので全国で融資ができます。


エリアは日本全体です。

なので最初はそこに融資を申し込めばよいと思いますが、そういった銀行は小さい金額の融資はやっていません


都市銀行の次にある銀行はというと、地方銀行になります。

これは県に二つか一つある大きい銀行で、北海道でいえば、北洋銀行、新潟県でいえば第四銀行、福岡県だと福岡銀行などがあります。


地方銀行は県内に支店があるエリアの融資が受けられます


こういうところは不動産融資をやっているところも少しはありますが、結構少ないです。

しかし、エリアは広いです。エリアが広い銀行は小さい事業に融資しづらいです。


地方銀行の次にあるのが、信金・信組です。

こちらはかなりエリアが狭く、例えば北海道の信金・信組でいうと、「北見市を出たら融資はできません」など制約があります。東京でも「足立区までは融資できます」などエリアが定まっています。


これはなぜかというと銀行には営業許可エリアがあるからです。銀行が財務局にエリア申請して、許可されたところでしか基本はできません。


なので不動産投資において、融資を受ける銀行のエリアをきちんと理解しましょう。でないと融資を申し込む際に門前払いになってしまいます。


もう一つ大切なのが申込人の居住地に営業許可が必要であるということです。


例えば私が福岡市に住んでいるとしたら、福岡銀行に融資を申し込むとして支店がいろいろあります。そこの時点で、福岡市に福岡銀行の支店がないといけませんし、福岡市に住んでいないといけません。買いたい物件と自分の居住地が銀行のエリア内になければいけません


これを理解したうえで物件を探していきましょう。


口述しますが、公庫は全国の融資に対応できますがすごく稀です。


④銀行情勢は常に変わる

先月できていたことが今月できなくなったり、先月はなかった商品が今月新しくできていたりします。

これは常に銀行と会話をするという機会がないとわかりませんし、大家さん同士で情報交換をするという機会もすごく大切です。


銀行の特徴を具体的に知ったうえで、超薄利商売で、人柄や事業を見ている、エリアがあり、銀行情勢は常に変わるので情報収集が非常に重要、ということを理解したうえで、どうやって開拓していくのか説明していきます。


基本的にみなさん買いたい物件を探していると思います。ヤモリの学校自体でも最初に物件の探し方を説明しているのですが、実は銀行開拓をしないと、キャッシュで買う人以外は物件を買うことができません。

物件がないと金融機関も具体的な話をしてくれないので良いなと思う物件を見つけたら銀行開拓を始めてください


その物件が買えたらそれでよいのですが、もし買えなくても御の字です。それで金融機関をどんどん開拓していってください。その物件を持ち込むことによって融資の条件や金額を教えてもらえば、そのエリアで次の物件を見つけてそれを持ち込むことができます。


最初は銀行開拓に1か月~1か月半くらいかかってしまうこともあり、狙っていた物件が売れてしまうこともあります。しかし、そのエリアの銀行は既に開拓しているので、違う物件を持ち込んで、前回も1回やっているので、2週間程度で融資が決まることもあります。



 

3. 銀行の開拓方法


①対象物件市内の銀行の支店が対象

例えば福岡市内に住んでいるとすると、福岡銀行の支店すべてに電話をかけます。基本的には物件から一番近い支店にまず電話をかけますが、支店が変われば考え方も違います。例外として大きな地方銀行、福岡銀行、千葉銀行、横浜銀行などは組織が大きくしっかりしているので、支店を変えても考え方が大きくは変わらないこともあります。


しかし、それも考えつつしらみつぶしに銀行の支店それぞれに電話をかけていきます。


信金・信組の場合は支店ごとに言っていることは違いますし、担当の方ごとに別のことを言っていることもあります。なので基本的には市内すべての銀行の支店に電話をかけます。


②電話→FAX/メール→電話→資料送付→面談 (補足資料)

電話を掛けるときは「収益不動産を買いたいので、営業の方をお願いします。」と言います。銀行の方からは融資のご相談ですかと言われるので、「はい、収益不動産を買いたいので、融資をお願いしたいです。」と答えてください。


そうすると営業の方を回してもらえるので、「私、市内に住んでいるこういうものです。収益不動産としてこの物件を購入したいので、融資の相談をしたいです。」と伝えます。


そうすると銀行の営業の方は大体冷たいです。特に今融資が厳しいので、「うちは収益不動産はやっていないんですよ。」とか「自己資金どれくらいなんですか。」ということを言われます。これは超薄利商売の銀行では当たり前のことです。


ではどうすればよいのか。

電話したときに「私の属性資料を送るのでFAX番号を教えてください。」と言ってください。そうすると銀行の方は資料をもらえるんだ、と理解して番号を教えてもらえます。大きい地方銀行などはメールを使っていることもあるので、メールアドレスを教えてもらっても大丈夫です。


ヤモリの学校補足資料にプロフィールシートをつけています。項目を埋めた後にそれをFAXで銀行に送ります。補足資料には何が書いてあるかというと、経歴、氏名、住所、家族構成、給与所得、所有物件、金融資産などを一枚の紙にまとめてあります。これを銀行にFAXで送り、一時間後くらいに再度銀行に電話します。(大家のヤモリではプロフィールシートを作成して書類整備できる機能も実装しています)


そうすると、銀行の担当の方は結構資料を見てくださっています。なのでこの資料をびっしり書いて送ると10行最初に電話したうち、冷たい銀行もあるのですが、2~3行は電話を聞いてくれるようになります


次に、属性資料の反応が良かった銀行に「物件資料も送っていいですか?」と聞きます。慣れてくるとFAXで自分の属性資料を送るときに物件の資料(販売図面という一番わかりやすい書類一枚のみ)も送ります。


そのあと良い感じだった銀行に物件資料をまとめて送らせてもらいましょう。また、自分の属性資料については、補足のプロフィールシート以外にも必要な書類を送ります。そうすると、たくさんあるので、FAXではなく郵送など銀行のルールに従って送ります。


最終的には面談に持ち込みます。


③不動産に前向きな銀行を選ぶ。(自己資金割合、融資期間、金利など)

属性資料、物件資料を見せた後、感触が良いと感じたら、「不動産に対する融資はどんな感じで考えられていますか?」と素直に聞いてみましょう。さらに自己資金がどのくらいの割合必要なのかも聞いてみましょう。


銀行に確認し、自己資金が3割以上必要となると、その銀行との取引は難しいと思います。レバレッジが7割しか効かないことになるからです。物件が良かったら自己資金1割またはフルローンの可能性があるかも聞いてみましょう。


また、融資期間についても聞いてみましょう。

例えば木造であれば減価償却の期間が22年と決まっています。RCという鉄筋コンクリートだと47年と、建物で決まっています。ただ、我々が扱っている物件はボロボロ物件ですでにそれらを超えているものが多いです。そういうものだと下手すると融資が3年~5年と言われることもあります。そうなると返済が大きすぎることになり、事業が成り立たないので融資期間は最低10年~15年欲しいです。


なので古めの物件なのですが安く貸し出すので、融資10年から15年期間でいただけないか聞いてみます。この時点で銀行がそういう物件は受け付けていないところもありますし、土地が良ければ受け入れてくれることもあります。


次に金利です。


「まだ取引がないのに聞くのもあれですが、大体金利どのくらいですかね。」と聞いてみましょう。これで金利が3%以上であれば少し取引は難しくなります。しかし、やれなくはないので3%弱だったらやっても良いかなと思います。金利がそのくらいであれば融資を受けられるほうが重要なので受け入れます。5%など高すぎなければ大丈夫です。


このようなステップを踏んである程度不動産投資に理解のある銀行を選定していきましょう。


④資料は一発提出、面談で事業性をアピール

資料をバラバラに出しているとそのやり取りだけで3週間以上かかってしまうので、資料はまとめて提出しましょう。ヤモリに登録するとヤモリの中に書類管理というフォルダがあるのでそこに必要書類をすべて保存しておけます。郵送が多いのでいっぺんにすべて提出できます。


次のステップ、面談になるとその資料を見ながら事業性をアピールしていきます。


事業性はどういう風にアピールしていくかというと、

前回の現地調査でメモした内容をもとに、物件価格、リフォームの内容、リフォーム費用など諸費用に付け加えて仲介会社さんにヒアリングしてこのくらいの賃料が望めるので毎月このくらいの収入がある、総事業費がこのくらいで、返済費用を見込んで手元にはこれくらいの金額が残ると、今までのシュミレーション、計算、ヒアリングから簡単に計算できるレベルの数字を伝えます。


 

4.持たざる者の味方、公庫



①日本政策金融公庫は国の銀行、持たざる者が事業するための銀行

日本政策金融公庫は強い味方です。


色々なセミナーに出てくることも多いし、コンサル生のきこるさんたちもここから借りていることが多いです。


②国民生活事業に相談しよう

日本政策金融公庫の国民生活事業に相談しましょう。


具体的には自分の住んでいる地域の近くの支店か物件の近くの支店に電話をします。収益不動産が買いたいので融資をお願いしたい旨を伝えます。公庫の場合は資料をダウンロードできるのでそちらを記入し、郵送で送ります。


きこり先生が1棟目を日本政策金融公庫の融資で買ったときは融資期間15年で金利2%でした。そのアパートは1400万円だったのですが、1500万円公庫が貸してくれました。1400万円の物件資料と諸費用100万円、リフォームに200万円かかります、ということを伝えたときにリフォーム費用は自分で負担してくださいと言われましたが、諸費用の100万円は負担します、と言ってくれました。


これは支店によります。

オススメの支店は田舎の方の支店です。住んでいるほうの支店をお勧めされるかもしれませんが、地方の支店のほうが親身になって聞いてくれるかもしれません。


③若者・女性・年配者に優しい

世間的に資金が少なく、起業しにくいと思われているので助けてあげますというのが公庫です。エリアの全国に対応していて、全国に支店があるので是非覚えておいてください。



 

5.地域の金融機関を味方につける


公庫だけでは不安という方は地域の金融機関を味方につけましょう。


①地方出身者は親子亀作戦(地方に残る親族と共同で会社設立)

地方出身者の方は有利な点があります。

 親子亀作戦 という作戦です。


これは地元に残っているお父さん、お母さん、兄弟など家族と共同で会社をつくります。

先ほどエリアの話をしたと思いますが、銀行、信金・新組はエリアが決まっているので東京の人たちに融資をすることができません。ただ、例えばお父さんが北海道にいる場合、お父さんと共同で会社をつくれば金融機関に対しては共同代表という形になります。代表の一人が北海道にいるので、北海道の現地で融資を受けることができます。


現地でもし何かあったらお父さんに頼むことができますが、管理会社さんがいるので滅多に何か起こることはありません。自分の方は資金調達や長期の修繕計画や客付けをして二人で事業運営を行う形にします。そうすると北海道で融資を受けることができます。


この作戦ですべて通るわけではなく、断られることも多いですが、何行かだけでも融資を受けることができれば事業ができます。例えば広島出身であれば、広島にいる家族と会社をつくり、広島で物件を探します。これが融資をその地域で受けるひとつの方法です。


②開拓方法は一緒、地元民であることをアピール

今は都会に住んでいるが、この地域出身で、将来的に戻るかもしれない、その時のために今のうちから不動産事業を始めておきたい、ということを伝えて資料を送らせてもらいましょう。


このように地域の金融機関を開拓していきましょう。


③都心出身でも開拓できる自宅近くの信金・信組をあたり営業エリアを確認

エリアは東京などになってしまいますが、近くの信金・信組を買いたい物件をもって回ってみましょう。東京や大阪の信金・信組でも結構営業エリアが広い場合があります。大阪だと、和歌山県の北の方、奈良県、京都府、神戸近くなどからくるので営業エリアが広いことが多いです。そのような営業エリアの広い銀行を開拓すれば自分の住んでいる場所に比較的近いところの物件を買えます。


これらのことを知るために、銀行に電話をしてどのエリアまでが営業範囲なのか聞いてみましょう。


 

今回は銀行開拓ということで4限目はここまでになります。

物件検索で大量の落ち葉の中から銀杏を探して、実際に現地に行ってリフォームをして、リフォームの金額も出てきて、物件をリフォームを合わせて融資を申し込んで、その後ついに買いましょう、という購入プロセスのところを次回の5限目で説明します。



 

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