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【3限目】 物件内見・管理会社回り
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目次
現地でするべきこと
現地での心得
事前準備
工務店アポのポイント
現地内見時のポイント
管理会社面接ポイント
前回、2限目では物件の探し方をご紹介しました。
電話でヒアリングして、実際に物件が良さそうと判断するところまできました。
今回は現地に行きましょうというお話です。

1. 現地でするべきこと
①建物の状態を確認しましょう
追って細かく話していますが、建物の状態確認をしましょう。
②修繕の見積り
基本的にはぼろぼろの物件を購入するのでどうしても修繕は必要になります。
③管理会社面談
電話をしてある程度の話はしているのですが、実際に会って話をするのはこのタイミングです。
戸建ては管理を委託しない可能性が高いのですが、アパートであれば、入居者さんのトラブルも発生するので管理会社さんにお任せしたほうが良いです。
2. 現地での心得
①現地では時間との戦い
場所によって現地が近ければそこまでではないのですが、札幌や長崎など飛行機で遠い場所に行く場合もあり、時間との戦いになります。
始発で行って終電や最後の飛行機で帰ってくるなど、決めれられた時間の中で動かなければいけないので、事前準備をしっかりすることが重要になります。
仕事の出張と同じことで、出張の前に出張報告書を書いて現地で写真だけ取ってそれを入れ、内容が違うと感じたところだけ後から修正するという、そのくらい準備はきっちりやっていきます。
②工務店・管理会社は最低3社ずつ会う
この3社という数字は正直控えめに言っています。
5社くらい会えるのであればあってほしいし、アポでいえば7社くらいとってほしいです。
すっぽかされることもあるので、そのくらい多くの会社とアポを取ります。
最低3社は会うことをお勧めします。
③当日はとにかくハード
時間がないし、いろんな人に会って、同じ説明もしなければならないので、当日はとにかくハードに動いてください。
その中でメモも書きまくるので、ハードなのですが、ここが一つの付加価値の源泉で、後に必ず良いことがあるので頑張ってください。
帰りの飛行機や電車では疲れ切っているのですが、
リフォームの発注先や任せる管理会社のイメージが見えることがゴールです。
リフォームはこことやられるといいな、管理会社さんもあそこの人が感じよかったから頼みたいな、と頭にある状態で帰路につけることが理想です。
3. 事前準備
事前準備は大切、と先ほど書いたのですが、大きく分けて3つあります。
①物件検索で電話した管理会社にもう一度電話をする
電話をして賃貸に出すのに最低限必要なリフォーム仕様を確認します。
慣れてくれば最初に電話ヒアリングをするときに聞いても良いです。
実際に貸し出すにあたって最低限どこをどのくらいリフォームする必要ありますか?
最低限必要な設備など具体的に聞き出していきます。
②リフォーム仕様は間取り図に書き込んで当日持参
①で得た情報を売買の仲介会社さんからもらえる販売図面にある間取り図に細かくメモしていきます。 きこり先生が物件を購入した当時、実際に間取り図にメモした資料を購読者特典として載せておきましたので参考にしてみてください。
これはヒアリングから分かった必要最低限のことを書いただけではなく、当日現地で大工さんや工務店さんとやりとりした内容も全部書いています。
前日までの準備として現地に行く前に間取り図に情報を書き込んでいきます。
当日はそれを説明してさらに工務店さんや管理会社さんから受け取った情報もメモします。
③タウンページを使って工務店を探す
タウンページを使ってその町の小さそうな工務店を探していきます。
こちらは後程、「3. 工務店アポのポイント」で詳しく説明します。
タウンページは結構使えて、例えば「長崎市 リフォーム」と検索して工務店さんに電話でアポを取ります。
ここで大事なことは内見の日時が決まったら仲介会社に依頼してその物件のライフラインを開けておいてもらいましょう。
ガスとかは止めているんです、といわれたらしょうがないのですが、最低限、水は流せるようにして欲しいです。
例えば3月14日に内見に行くことになった場合に水を出せるようにしてください、と伝えると、売主さんが水道会社さんに伝えて、水を出してもらえることが多いです。
電気も止まっていることが多いのですが、つけてくださとお願いするとその日だけつけてくれることも多いです。買った後に問題があることがわかると嫌なので、ライフラインは極力開けておいてもらいましょう。
こうすることで、現地に行ったときに本当に水が出るか、電気が付くかなどできる限り確認することができます。全部できないこともありますが、ライフラインを開けてもらうお願いはやっておいたほうが良いです。
4. 工務店アポのポイント
工務店さんや大工さんは持たざる者の不動産投資において重要なパートナーになります。
良い工務店さん、大工さんを見つけると、その方がいるおかげでその地域でやっていけるというくらい大事なパートナーです。その未来のパートナーにどうやってコンタクトをとっていくかという話です。
管理会社さんや販売会社さんに紹介してもらえることもありましたが、正直自分で探し当てたほうが良い方に出会えると思います。
もちろん良い工務店さんや大工さんを知っている大家さんがいてその方に紹介してもらうというのでも構いません。ただ、以前に一度知り合いの大家さんに紹介してもらった工務店さんが夜逃げして何百万円と失った経験もあるので、基本は自己責任で自分で探していきます。
「○○工務店」のような屋号がおすすめ
タウンページを見ると、最初の方にはお金をかけて広告を出して上のほうにリスティングされている工務店さんがあります。
例えば「○○株式会社 ~地元で50年の実績~」などがでてきますが、もう少し小さい規模で「○○工務店」という名前の屋号がついている地元の工務店に電話でアポを取っていきましょう。
そのような地元の工務店は写真などを載せていなく、中を開けるとぶっきらぼうにリフォームやっています。と書いてあるようなイメージのところが良いです。このようなところに片っ端から電話をかけていきます。だいたい2コールでは出ないので粘り強く電話をします。
物件住所、リフォーム仕様等を伝えて、アポ取得
このようなリフォームをしたくて、住所はここで、アパートで、現在はこのような状況で、これを貸し出せるようにしたいと伝えます。
リフォームはこのような感じでやりたくて当日お話しするので、と言って来てくださいといってアポを取ります。
この時のリフォーム仕様は以前の間取り図に書いたことを伝えます。
正直向こうもそんなに聞いていなかったり、リフォームを実際に担当する人ではない人が出たりします。しかし結局そういうところのほうが安いです。
背広を着た人が来ることもありますが、販売するためにお金がのっているので、つなぎを着たような人が来るくらいでちょうど良いです。仕事はきっちりしている人、「一式」ではなく細かい極力細部まで書いてくれた丁寧な見積もりを出してくれる工務店を選んでいきましょう。
1社50分、10分予備。3社で約3時間
現地で大体慣れていても1社50分くらいかかります。
最初であればもう少しかかってしまうかもしれません。
3社で3時間かかる計算ですが、もう少し伸びると思ってください。
これを最低限やったほうがよいです。
5. 現地内見時のポイント
販売会社さん、管理会社さん、工務店さんに内見に行く日時を伝えてアポをとります。
これは補足資料にスケジュールの例も載せているので、そちらもご覧ください。
ハードではありますが、これを何回かやっていくとすごく知識が付きます。
①外周りと内側
外周りは建物の周り、大きな損傷や周囲の嫌悪施設の有無を確認します。
例えば、工務店さんの1社目のアポが10時だとすると最低でもアポの1時間前の9時には到着して、建物をざっと見ます。
たまに玄関に入るところが大破していて売主さんに写真を撮って送ると、物件に興味がないので知らなかったということが多いのでこちらで指摘します。軒天が壊れていたり、雨どいが落ちているなども言います。ここは大工さんに聞いて確認しましょう。
また、周囲の嫌悪施設の有無のチェックでは。近くに危ない事務所がないか、異臭がする工場がないか、急な坂があるかどうかなど現地に行かなければわからないことを確認します。
内側は傾き、雨漏り、シロアリ跡、水廻り、電気動作確認、写真、動画を取ります。
販売会社さんが来る前にカギを開けておいてもらい、1人で確認します。販売会社さんがいても大丈夫です。
まずは傾きです。
大きく傾いている物件は最初はお勧めしません。入った瞬間に平衡感覚でわかるときもありますし、窓やサッシを開けて確認します。傾いていると窓も開かないのでそれを実際にやってみます。
雨漏りやシロアリ跡もチェックします。
シロアリが食べると木のくずが落ちていたりします。これは跡があったら諦めるのではなく、ちゃんと直るか聞いて見積もりに入れてもらって、その分指値で買うようにします。
水廻りは水が出るかどうかという確認もします。ライフラインは開けておいてと頼んであるので、水が出る出ないだけでなく、水漏れも確認します。電気もつくかつかないか確認して、つかないことも、ブレーカーが壊れていることもあります。
水廻りも電気の動作確認も必ずしておきたいので事前準備でライフラインは開けてもらいましょう。
最後に写真や動画はひたすらたくさん撮ります。
全ての廊下や部屋はもちろん撮影して、四隅にいって撮ったりもします。
あとでそれを見て間取り図を直したり、修繕箇所を細かく書くことができるので非常に重要です。
②工務店1社目はリフォーム内容を伝え、問題点を聞く。2社目は問題点をもとから知ってた感を出しつつよりコスパが良い方法を探る。
1社目に関してはリフォーム内容を伝えて工務店さんや大工さんしかわからないような問題点を聞いていきます。専門的なことは最初はわからないのですべて教えてください、と言って専門用語など教えてもらいましょう。
2社目の工務店さんが来たときは、さっき聞いた内容をもともと知っていたかのように、リフォームに関する意見を聞き、リフォームするときによりコスパが良い方法を探ります。1社目と2社目で同じ箇所のリフォームについて意見が違う場合もあるので、3社目にどちらが良いか聞いてみましょう。
その情報をとにかくメモしまくります。間取り図は何枚も必要になるのでたくさん持っていきましょう。
1社目、2社目、3社目といくと1社目の見積もりが高くなることがあります。
これはしょうがないことなのですが、リフォームの業界では、知識がない人には高く見積もりを出します。
こちらもきちんと仕様を言えないので何とも言えませんが、要は値踏みされているところがあります。
知らなければこのぐらいの金額を提示しても大丈夫だろうということが必ずあります。
2社目、3社目などある程度の知識があると、リフォームの金額が下手したら半額になることもあります。
③打ち合わせ内容はすべて間取り図に落として各社に共有し、見積もり依頼
少し面倒くさいのですが、打ち合わせの情報はすべて間取り図にメモしてそれを送り、この内容で見積もりをお願いします。これをやらなければ3社で見積もりがブレてしまいます。
3社との打ち合わせが終わった後に自分の間取り図にある情報を整理して3社に送ります。先ほどお話した整理済みの間取り図も補足資料にあるので是非見てみてください。
この工務店や大工さんとの打ち合わせを何10件、何10社もしていけばいつの間にか一級建築士さんに認められるくらい建築の知識もついていきます。ただ一級建築士さんみたいに体系的に学んでいるのではなく、実務で繰り返しやっているので詳しくなることができます。この経験を積めばコストカットにもなり、富を生んでいく知識になるので頑張ってやり抜きましょう。
6. 管理会社面談のポイント
基本は管理会社さんとの面談は午後に入れます。
例えば朝10時に工務店さんのアポを取って3社と打ち合わせをしたら、午後2時3時に管理会社面談をします。
電話ヒアリングの内容を面談時も実施
電話ヒアリングの内容を5分、10分で実施します。
できるだけ多くの担当者や店長に会ったほうが良いです。
先ほど3社と書いていますができれば5社6社回ったほうが良いです。
その時に名刺を必ず交換してください。
名刺を管理のとき、運営するとき、募集するときに使います。
メールアドレスやFAX番号に一斉に送信するので必ずもらってください。
また、店長さんや担当者のやる気と実績を確認してください。
月間で何本、繁忙期に何本の契約を取ることができます。など目標をきちんといえるお店は信頼できるので任せてみようかなと考えます。(教えてくれないこともありますが、深堀はしなくて大丈夫です)
帰路で担当者の印象などを名刺に書いて自分でとっておきます。
1社20分、予備10分で30分、3社で約1.5時間
最初だともう少し時間がかかるかもしれません。
予備が10分としていますが、田舎だと管理会社に行くのに時間がかかったりします。
ハードな1日になりますが、事前準備をしっかりしておけば、1日におさめることが可能です。
これをやっていけば自分の中でリフォーム仕様が固まってきます。
今回紹介したのはあくまでも1つの方法で、別の方法として当日の内見で工務店さんと打ち合わせする前に管理会社さんに来てもらって説明してもらったりしたこともあります。ただやっぱり、管理会社さんは貸すときにどう見えるかということを重視するので専門的に修繕をすることについてはあまり知りません。
一番楽なのはやはり工務店さん大工さんをたくさん呼んで打ち合わせをして学ばせてもらいながら見積もりを出してもらい、それから管理会社さんと会うほうが初めての方がやるには良い方法だと考えます。
ここまでで大体自分がどうやっていくかというイメージができたうえで、見積もりもでてきて金額が固まります。利回りを20%にするには物件をいくらにして、物件価格、リフォーム費用、自分の資金を考えて資金計画ができていきます。
4限目からは物件の購入に向けて金融機関の開拓を始めて、買い付け申込書をだしたりと具体的な購入への流れになっていきます。
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