事故物件って買っていい?不動産投資の視点から学ぶ告知物件
- ヤモリ

- 9月9日
- 読了時間: 5分
更新日:10月10日
こんにちは、きこりです。不動産投資をしていると、必ず耳にする告知物件。聞いただけで怖いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は告知物件は避けるべきものであると同時に、チャンスにもなり得ます。今回は、告知物件に関する法的なルールや、投資家としての判断基準を整理しながら、意外と知られていない告知物件の活かし方を解説していきます。
〈目次〉
告知義務とは
不動産取引における「告知義務」とは、宅地建物取引業法や民法の原則に基づき、不動産の売買や賃貸契約の際に、その物件に関する重要な事実を相手方に伝える義務を指します。
具体的には、買主や借主が「知っていれば契約しなかった」「条件を変えて契約した」と判断に影響する可能性のある事実を、隠さず伝えるということです。特に、人の死に関する事実は心理的影響が大きく、告知義務の典型例とされています。
事故物件にあたるものとしては、
自殺
他殺や殺人事件
火災による死亡
孤独死
などが挙げられます。
これらを隠して契約すれば、後々のトラブルや裁判に発展する可能性が高いため、取引当事者に誠実に伝えることが求められています。
事故物件をめぐる告知義務とその社会的偏見
かつては、物件内で亡くなった事実があれば必ず告知しなければならないとされてきました。こうした背景から、大家や不動産会社は事故物件を避ける傾向が強く、貸し渋りや資産価値の大幅な下落が問題となりました。
例えば、「高齢者は室内で亡くなる可能性があるから貸せない」「単身者はリスクが高いからお断り」など、ある意味偏見とも言える対応が多く見られ、結果として社会全体で不動産の有効活用が妨げられる状況が続いていました。
2021年「人の死に関するガイドライン」
こうした不透明さを解消するため、国土交通省は2021年に「人の死に関する不動産取引におけるガイドライン」を公表しました。
ガイドラインのポイントは次の通りです。
原則告知が必要な場合:人が亡くなってから概ね3年以内の場合・殺人、放火など社会的影響が大きく事件性が高い場合は、経過年数に関わらず告知義務あり
原則告知不要となる場合:自然死(病死や老衰など)・転倒や入浴中の事故死などの日常的な不慮の事故・特殊清掃が不要で、早期に発見されたケースは告知しなくてもよい
この明確なルールにより、従来は「グレー」とされていた自然死や軽微な事故死のケースについて、必ずしも告知する必要がないと整理されました。これによって、事故物件の中にも活用可能な物件が多く含まれることになりました。
ガイドラインによって「伝える必要がない」とされたケースまで無理に伝える必要はありません。しかし、物件の所有者だけではなく、仲介会社も告知義務を負います。 仲介会社によっては「トラブル防止のため、原則不要でも伝える」という方針をとるところもあるため、、物件の購入を検討する際には、仲介業者のスタンスも確認しておくことが重要です。

きこりの実際の事例から見る 事故物件投資の可能性
きこり自身も、過去に殺人事件が起きた物件を購入した経験があります。室内は犯人の隠蔽行為で大きく損傷していましたが、しっかり原状回復工事を行った結果、最終的には入居者が決まりました。
告知義務のある事件性の強いケースでも、賃料を調整することで気にしない層が入居してくれることもあります。実際、値引きに納得した若い女性が長期的に住み続けてくれています。
事故物件=投資不可ではなく、条件や状況次第では収益物件として成立することを示す事例です。

最後に
告知物件だからといって、必ずしも投資対象外とは限りません。2021年のガイドラインによって基準が明確になった今こそ、投資家自身が正しい知識を持ち、判断基準を明確にすることが大切です。
大事なのは怖いから避けるではなく、
告知義務の有無を冷静に確認する
客付け可能性を見極める
市場で避けられている物件にこそチャンスがある
という視点です。不動産投資においては知識が武器になります。他の投資家が敬遠する物件をチャンスに変えられるよう、今回の内容をぜひご自身の判断軸に取り入れてみてください。
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北海道出身、元総合商社勤務。2014年から賃貸経営を始め、7年間で家賃収入が約1憶円を突破。現在は福岡県在住で不動産テック企業「株式会社ヤモリ」を経営し、賃貸経営の知見を活かして一般の会社員や主婦の方々向けに不動産による資産形成を寄り添って支援するサービス「ヤモリの学校」と「ヤモリの家庭教師」を提供。
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