不動産投資の価格交渉術を解説【根拠の作り方・タイミング】
- ヤモリ

- 6月16日
- 読了時間: 7分
こんにちは、きこりです。
不動産投資では、「どの物件を買うか」だけでなく、「いくらで買うか」も非常に重要です。実際、きこり自身もこれまで30棟ほど物件を購入してきましたが、指値をせずに購入した物件の方が少ないくらいです。
1億円を超えるような物件で1,000万円〜2,000万円の指値が通ることもありますし、小さいものでは400万円の物件を60万円程度で購入したこともあります。ただし、これは闇雲に値引きをお願いしているわけではありません。
指値には、通るための「根拠」と「タイミング」があります。本記事では、これまで数多く指値交渉をしてきた経験をもとに、指値の考え方や、実際にどのように交渉を進めているのかを解説します。
<目次>
【不動産投資の価格交渉術を解説│根拠の作り方・タイミングは】動画はこちら
指値とは?なぜ必要なのか
指値とは、売り出されている価格に対して、「私はこの金額で買いたいです」とオファーをすることです。不動産は、商品ごとに決まった定価があるわけではありません。売り主の事情や市場状況、物件ごとの個別性によって価格が決まっています。そのため、こちらが「買うべき価格」を提示していくことが大切です。

もちろん、掲載価格のままで収支が合うのであれば、そのまま購入しても問題ありません。ただ実際には、売り主の希望価格では収支が合わないことも多いです。
逆に、収支が合っているのに欲を出して過度な差し値をすると、他の人に買われてしまったり、そもそも売ってもらえなかったりします。大切なのは、「必要十分な指値をして、事業として成立する価格で買うこと」です。
指値の根拠はどう作るのか
指値は、好き勝手な数字を言えばいいわけではありません。売り主からすると、差し値をされる時点で気分の良いものではないので、「なぜその金額なのか」を説明できることが重要です。きこりがよく使う根拠は、主に3つあります。
1つ目は、リフォーム費用です。
築古物件だけでなく、築浅でも修繕が必要なことがあります。「これだけ修繕費がかかるので、この価格であれば事業として成立します」という形で指値をすることは非常に多いです。
2つ目は、金融機関の評価額です。
例えば、6,000万円で売られている物件でも、銀行評価が5,000万円程度ということがあります。その場合、「銀行評価が5,000万円なので、自己資金も加えて5,200万円なら購入できます」という形で交渉します。これは説得力が強い方法です。
3つ目は、売り主の残債を予測する方法です。
登記簿謄本を見ると、抵当権の設定額が記載されている場合があります。そこから、いつ購入したのか、どれくらいの融資期間なのかを推測して、現在の残債を計算します。もちろん正確には分かりませんが、「売り主が最低どれくらいで売る必要があるのか」をある程度予測することができます。その上で、
銀行評価
リフォーム費用
事業収支
などを組み合わせて、現実的な価格を提示していきます。
指値を伝えるタイミングが重要
指値は、タイミングが非常に重要です。問い合わせをした直後に、「どれくらい差し値通りますか?」と聞いてしまうと、仲介さんからすると、「満額で買う人を探そう」となりやすいです。
そのため、まずは仲介さんを巻き込んでいくことが大切です。例えば、メールのやり取り、資料確認、現地調査、内見などを進めていきます。
仲介さんも動けば動くほど、「ここまで進めたなら決めたい」という気持ちになります。その状態を作った上で、「この金額なら購入できます」と伝える方が、交渉は通りやすくなります。
一方で、ポータルサイト掲載物件のように競合がいる場合はスピードも重要です。その場合は、まず満額で買い付けを出して物件をグリップし、その後に交渉を進めることもあります。ただし、闇雲に買い付けを出しまくると、仲介さんからの信頼を失うこともあるので注意が必要です。
売り主・仲介さんとの向き合い方

指値というと、「値引きしてもらう側だから申し訳ない」と感じる方もいるかもしれません。ただ、買う側も対等な立場です。
もちろん伝え方は丁寧にした方がいいですが、必要以上に下手に出る必要はありません。「この金額であれば購入させていただきます」と誠実に伝えることが大切です。
また、指値が成立する背景には、売り主側の事情があります。例えば、早く売却したい、固定資産税を負担したくない、トラブルなく売却したいなどです。
売り主も、「どんな人が買うのかわからない」という不安を持っています。そのため、きこりはお手紙を書くこともあります。
「素晴らしい物件だと思っています」
「こういう理由でこの価格であれば購入したいです」
「購入後に文句を言うこともありません」
ということを丁寧に伝えることで、売り主さんが動いたケースも多くあります。
また、一度断られても、あとから戻ってくる“鮭物件”というケースもあります。最初は価格が合わなくても、売れ残ったり、他の買い手が決まらなかったりすると、「やっぱりこの人に売りたい」となることもあります。
一番良いのは「買えること」、二番目は「買えないこと」
大幅な指値は、基本的には望ましいわけではありません。ただ、収支が合わないのであれば、大幅な指値でも必要です。400万円の物件でも、60万円でなければ成立しないのであれば、60万円で交渉するしかありません。

そして、買えなかったら、それはそれで良いのです。きこりは、「1番良いのは、良い物件を買えること」「2番目に良いのは、買えないこと」だと考えています。
逆に良くないのは、キャッシュが出ない物件、返済できない物件、売れない物件を買ってしまうことです。だからこそ、収支が合う価格にこだわる必要があります。
まとめ
指値は、単純に「安くしてください」とお願いするものではありません。重要なのは、
なぜその価格なのか
その価格でなければなぜ成立しないのか
という根拠を持つことです。ぜひ皆さんも、根拠とタイミングを意識しながら、指値交渉に取り組んでみてください。
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北海道出身、元総合商社勤務。2014年から賃貸経営を始め、7年間で家賃収入が約1憶円を突破。現在は福岡県在住で不動産テック企業「株式会社ヤモリ」を経営し、賃貸経営の知見を活かして一般の会社員や主婦の方々向けに不動産による資産形成を寄り添って支援するサービス「ヤモリの学校」と「ヤモリの家庭教師」を提供しています。
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