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執筆者の写真ヤモリ

【銀行解説編】少し持ってる者の不動産事業 関東で使える銀行を徹底解説【後編】



銀行解説の前編では、不動産仲介業社のクリスティから北岸さんをお呼びして、関東在住の高属性大家に向けた銀行の中でも、静岡銀行・徳島大正銀行・香川銀行の3つを解説をしました。


後編では、オリックス銀行と三井住友L&Fの2つの銀行を解説をした後にモデルケースを二つ検討し、最後に前後編のまとめをしていきます。ぜひ動画の方もご覧ください。


不動産投資・事業の基礎は持たざる者も少し持っている者も変わりません。まずは持たざる者の不動産事業で不動産投資の流れを一通り学んだ後、ヤモリの家庭教師では、少し持っている者の不動産事業もサポートしていますので、実際に取り組まれる方は是非ご検討ください。



 

〈目次〉

 



不動産投資でオリックス銀行に求められる条件は?


求められる年収、自己資金

勤務先が上場しているのが前提で、年収700万円以上を求められます。ただし、社会人1〜2年目で年収500万円台の方でも、今後伸び代があると判断されれば取り扱ってもらえる場合もあります。


自己資金は物件販売価格の10%〜15%くらいが必要です。


融資するエリア、金利

融資するエリアは基本的に環状16号線の内側です。その場合は金利が2.5%前後になります。環状16号線の外側になると、金利は一律で3%になります。


少し離れた茨城の水戸や群馬の高崎などの土地なら、遠隔地ではあるものの対応してもらうことができます。エリアの全てとまではいきませんが、ピンポイントの物件で融資をしてもらうなら、金利を3%を払うことで遠隔地でも対応いただけるということになります。


融資期間

木造と軽量鉄骨は、16号線の内側だと「40年−経過年数(築年数)」が融資期間になります。


ただ、10年延長というものがあり、金利を2.5%から3%にすることで、「50年−経過年数(築年数)」を融資期間にすることができます。10年延長は16号線の内側の物件限定で、16号線の外側だと10年延長はしてくれません。


積算の考え方

積算価格が4,5割しか出ていなくても取り扱います。キャッシュフローで月々の返済が回るかを重視します。積算が低くてもキャッシュが出る物件はいくらでもあるため、大家としてはありがたいとも言えます。


法人向け融資

法人での融資もやっています。


完済年齢

完済年齢は80歳です。

 

不動産投資で三井住友L&Fに求められる条件は?


求められる年収、自己資金

年収はほとんど気にしません。北岸さんによると、あってないようなものとのことです。自己資金は、共同担保をいれなければ販売価格の3割ほどが必要です。積算が高い物件だと8割融資といったこともありますが、3割が頭金で必要というケースがほとんどです。


共同担保が好きな銀行で、ローンを完済した物件や現金で購入した物件を担保にして借入をしたり、買った金額から出た残債を第二抵当として担保に入れて借入をしたりします。


融資するエリア

融資するエリアは、担保を出さない方だと一都三県や政令指定都市といった場所になります。ただ、担保を出すのが前提となる銀行なので、担保にした物件が一都三県の中に入っていると、群馬のような遠隔地でも取り扱ってくれます。


都内に土地などを相続で持っている場合、それを共同担保に入れることで遠隔地の物件に対応することができます。


残債

ほとんど気にしません。しかし、北岸さんによるとコロナ禍になってからは少し厳しくなってる印象があるそうで、1億円というのを一つの基準として判断しているようです。


残債が1億円を越えている場合、余計に担保を多く取るといってリスクヘッジも行っています。


法人向け融資

法人での融資も行っています。


融資期間

基本的に30年です。ただし、返済率が30%といったように極端に数字が良い場合は融資期間が25年というように少し短くされることもあります。


金利

融資額が5,000万円以上なら金利は2.9%、5,000万円以下なら3.9%になります。


完済年齢

80歳から1歳伸びて81歳になっています。

 

不動産における銀行開拓のモデルケース①


自分が少し持っている者だなと思う場合は、プロフィールシートを作って業者に相談し、自分だったらどのような物件でどれくらいの融資が出るのかを知るべきです。


ですが、一つの見方としてモデルケースを考えることも不動産事業を行う場合は学びになるはずです。

ということで、これから二つのモデルケースについて簡単に考えてみましょう。



想定する人のステータス

・年収1,000万円くらい

・自己資金1,500万円くらい

・投資などの消費性の借入ゼロ

・住宅ローンの残債が5,000万円


一棟目

できるだけ多くのキャッシュを生み、可能な限り必要な自己資金を抑えたいと考える場合、どの銀行を使うのが良いのでしょうか。


北岸さんによると、自己資金を抑えたいということであるならば静岡銀行とのことです。フルローンが出るため諸経費だけで済ませられるので、一棟目からある程度大きな物件が視野に入ってきます。


1億円の物件を買うことを考えてみましょう。静岡銀行はフルローンなので、1,000万円持ってれば諸費用は払えます(諸費用は売価の1割)。その1,000万円を払ったあとに、もう1,000万円くらい手元に残っているのが理想です。


よって、自己資金が1,500万〜2,000万円ある人ならば、1億円の物件も狙えるということです。

つまり、上の条件なら1億円の物件を購入することができます。


二棟目

二棟目でも自己資金を抑えて物件を購入したいと考える場合、一棟目に続いて静岡銀行で買う人も多くいます。静岡銀行は、昔は年収倍率が20倍というようなことがあったそうですが、ガチガチに決まっているわけではないそうです。


香川・徳島大正銀行は戸数の上限があり、そもそも1億以下の借入です。それに加え、年収倍率の10倍があります。そして、上の条件のように住宅ローンの残債が5,000万円ある場合、1億から5,000万円を引いた5,000万円しか融資されないことに注意する必要があります。


オリックス銀行は、年収1,000万円以下の方だと年収の10倍くらい、1,000万円を越えてくると12,13倍という年収倍率があります。しかし、オリックス銀行の担当者によると、一棟目をオリックスで買って、二棟目を買おうと考えたときにその物件が年収の12,13倍だったという場合は融資が下りるそうです。


つまり、一棟目をオリックス以外の銀行で借りて、二棟目からオリックス銀行で借りようとなったときにその物件が年収倍率で10倍を越えたり、10倍に近い場合は厳しいということになります。


大事なこと

上記の条件で考えた際に、一つのシミュレーションの中でも様々な銀行が出てきたことが分かったと思います。不動産事業は物件ありきですから、オリックス銀行の二棟目の年収倍率のように、先々まで細かく読み切ることは非常に難しいです。


ですから、今まで挙げたような銀行に全てプロフィールシートを提出して、自分のことを銀行に知ってもらった上で、出てきた物件を見て自分の使える銀行に物件を当て込んでいける状態にすることがベストです。


 

不動産における銀行開拓のモデルケース②


想定する人のステータス

・年収1,000万円弱 (800万円くらい)

・自己資金1,000万〜1,500万円

・消費性の借入ゼロ

・住宅ローンの残債が5,000万円


一棟目

自己資金は少し出しても良いが、静岡銀行だと年収的に少し厳しいという場合はどこの銀行にするかという質問に対して、北岸さんは徳島大正銀行と回答していました。


理由は、年収で土台に乗る香川銀行と徳島大正銀行を比較したときに、出来上がりで2.5%と2.2%なので徳島大正という選択になるというのが一つ、もう一つが徳島銀行の上限額である1億円を使い切る事を考えると優先順位が高いからです。


二棟目

徳島大正銀行や香川銀行を先に利用したとして、その後に静岡銀行が徳島大正銀行や香川銀行から融資を引いてる物件を評価しますが、それがかなり低く見られる傾向があります。よって、一棟目を香川や徳島大正で買って二棟目を静岡銀行で買うというのは、よほど金融資産がない限り厳しいです。


残債と評価の乖離部分を埋められるほどの金融資産を作らなければいけません。静岡銀行の融資の下限値が3,000万円で、徳島大正銀行の下限値が2,000万円(※ヤモリやクリスティを通すと1,600万円くらい)なので、そのような数値も勘案して銀行を決定する必要があります。


やはり、ある程度銀行の特徴を捉えた上で、良いなと思う物件を持ち込んでおいて各銀行との関係をしっかり作っておき、物件を出てきた物件に対して銀行を選ぶことが大事です。

 


不動産事業の銀行解説まとめ/公庫はいつ使うか?


融資情勢は一ヶ月経つと変わり、情報が絶えず変わっていきます。そのため、銀行や仲介会社との関係を作って情報をキャッチし、物件検索をした中でいいなと思った物件をすぐに相談できる体制を作るのが重要です。


公庫は最後に使うべきか?

持たざる者でも馴染み深い日本政策金融公庫は最後に使うのが良いのか?と質問をしたところ、概ねYESとの回答が帰ってきました。


公庫は借入や物件の評価を気にしないため、後回しにして使いづらいというようなことはありません。

一戸目と二戸目を静岡銀行で買って、与信の部分を使い切った上で公庫に行くのが理想的な例のひとつです。


持たざるものの場合は、年収や自己資金がない場合はそもそも上で紹介した銀行の土台に乗らないので、最初から公庫を使う場合もありますし問題ありません。


 

今回の内容はここまでとなります。


不動産事業において銀行の特徴を把握することは重要なので、今回の記事や動画などを活用してどんどん学んでいきましょう。


今回登場してくださったクリスティさんのホームページもぜひ訪ねてみてください。


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