「住めない町・東京」を変える一手。株式会社ヤモリが挑む「アフォーダブル住宅」とは
- ヤモリ

- 2月22日
- 読了時間: 6分
物価の高騰が続く中、特に東京都内での「家賃」の上昇が止まらず、若者や単身者にとって東京は「住めない町」になりつつある。この社会課題に対し、中古物件の再生を手掛けるスタートアップ企業・株式会社ヤモリが、新たな住宅モデルの提供を通じて解決に乗り出している。
1. そもそも「アフォーダブル住宅」とは?
「アフォーダブル(Affordable)」とは、「手頃な価格の」「入手可能な」という意味を持つ言葉。つまりアフォーダブル住宅とは「周辺の相場よりも家賃が安く、一般的な収入の人々が無理なく支払える価格帯の住宅」のことを指す。
これは、単なる安いアパートという意味にとどまらない。都市部で働く人々や若者が安全に暮らし続けるための「社会インフラ」として、世界中で注目されている。
2. 取り組みの先行事例
2-1企業による取り組み
例えばアメリカのAppleも、住宅価格が高騰するカリフォルニア州において巨額の資金を投じ、アフォーダブル住宅の供給を支援している。

Appleでは「誰もが家を持つ」という基本的な権利を保障することを目的に、25億ドルという巨額の投資を行った。この背景には、同社が本社を置くカリフォルニア州において、住宅価格が極端に高騰し、中低所得層や社会的弱者にとって手頃な価格の住宅が著しく不足しているという深刻な社会問題があった。具体的な取り組みの一例として、サンフランシスコのミッション地区におけるプロジェクトがある。ここでは、ホームレスの危機に瀕している高齢者を対象とした145戸の支援住宅が建設された。また、こうした動きはApple一社に留まらない。Amazon、Google、Metaなど、他の巨大テック企業も同様にアフォーダブル住宅の提供や支援に注力している。
2-2自治体による取り組み
自治体においても取り組みが行われている。

世界で最も不動産競争が激しい都市の一つであるニューヨーク市では、2006年に「ニューヨーク市住宅取得ファンド(NYC Acquisition Fund)」が設立された。
このファンドは、ニューヨーク市・財団・12以上の民間銀行が共同で立ち上げたものであり、以後、約20年間で1.6万戸以上のアフォーダブル住宅の創出・保全に貢献している。
背景には、地価が高騰し物件の売買スピードが速いニューヨーク市場において、資金力に劣る非営利団体や小規模デベロッパーが、用地取得の段階で民間投資家に競り負けてしまうという課題があった。この基金では、そうした事業者に対し、迅速かつ柔軟な融資を提供することで競争力を劇的に高めさせた。
このように社会全体が地域社会の居住問題の解決に対して大きな役割を担おうとしている傾向が見られる。
3. なぜ今、東京にアフォーダブル住宅が必要なのか?
東京都は、家賃高騰に悩む子育て世帯を支援するため「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」を創設した。都が100億円を出資し、民間資金と合わせて総額200億円規模で、周辺相場より安い賃貸住宅の供給を目指すプロジェクトだ。 世界的なトレンドに沿うような形で始まったこのプロジェクトだが、そもそもなぜ東京都にアフォーダブル住宅が求められているのか。今回は3つの指標を参考に、東京都に潜む課題を考える。
3-1家賃の高騰
物価高や家賃高騰が続く中、東京都では一人暮らし向け物件の家賃も急激に上昇している。統計データによると、東京都の一人暮らし向け物件(1部屋の物件=1K,1DK,1LDKなど)の家賃は、特に直近の5年間(2021年〜2025年)で急騰しており、2021年4月時点の約6.9万円から、2025年10月には約7.7万円にまで達した。

3-2家計を逼迫する家賃
また、家賃の高騰は家計を著しく圧迫している。30歳未満の単身世帯において、支出に占める住居費負担の割合は1994年には17.5%だったが、20年後の2014年には25.4%へと上昇した。

3-3他県と比べても高い東京の家賃
さらに、東京都における「理想の家賃(手取りの3割)」と「実際の家賃平均」を比較すると、実際の家賃が理想を11,193円も上回っている状況にある。全国平均や近隣県と比較しても東京の住居費負担は突出している。かつて誰もが憧れた東京は、今や経済的な理由から「住めない町」へと変貌しつつあるのが実態だ。

このように東京都は、他県と比較しても家賃の上昇が顕著で、家計に対する住宅コストの割合も上昇している。市場原理だけでは解決できない住宅コストの危機に対し、東京都が具体的な施策を打ち出した。それが「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」である。
若者や子育て世帯の東京離れ、ひいては少子化の加速につながることを危惧し、行政主導による新たな資金循環の仕組みを構築した。
このファンドの最大の特徴は、行政がリターン(利益)を譲歩することで、家賃の安さを実現するという点にある。 通常、都心で家賃を安く設定すれば収益性が低下するため、民間事業者は参入しづらい。そこで東京都は、都の出資分に対する配当利回りを民間投資家よりも低く設定することを許容した。これにより、事業全体の収益性を確保しながら、入居者に対しては周辺相場よりも安い「アフォーダブルな家賃」での提供が可能となる。
このように、東京が抱える構造的な住宅課題に対し、単なる補助金の給付ではなく、官民がリスクとリターンを分担し合う「官民連携ファンドモデル」での解決が始まっている。そして、この新たな官民連携ファンドの運営事業者として、株式会社ヤモリが採択された。
文 : 坂本悠愛(ヤモリインターン/慶應義塾大学4年生)
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