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執筆者の写真ヤモリ

【不動産の利回りを計算しよう】地方少額高利回り物件を買って20%を目指す方法


動画はこちら↓



今回は、ヤモリが提唱し実際にその生徒さん(ヤモリの有料不動産投資スクール受講生)が実践している持たざるものの不動産投資についてお話します。


ヤモリでは「持たざるものスキーム」の物件を検討する際、物件の修繕価格などを含めた総事業利回りで20%以上(≠表面利回り20%)というのを一定の基準として設けています。

ここまでの高利回りな物件は中々出てこないですが、なぜここまで高利回りにこだわるのか、生徒さんから時折聞かれたりもします。


今回は、そんな疑問を解消できるような内容となっており、かつ持たざるものの不動産投資がより理解できますのでぜひ最後までご覧ください。


YouTubeでもインタビュー全編を掲載しておりますので、ぜひチェックいただければと思います。



 

〈目次〉

 

不動産で利回り20%を目指さないとキャッシュフローが赤になる

結論、利回り20%を目指さないとキャッシュフローが赤になるから、というのが回答になります。


キャッシュフローは、毎月入居者の方からいただいた家賃から、銀行借入の金利と元本・固定資産税・小修繕(例:シャワーヘッドが壊れた、パッキンが詰まった)などのお金を差し引いた手残りのことを指しますが、これでお金を残していくことを考えると利回り20%が目安になるというのが理由です。 シミュレーションをしてみると分かるかと思います。


※ヤモリの学校1限目参照


戸建てを200万円~300万円で購入して リフォームをして貸しに出すわけですね。だいたい融資期間が10~15年ぐらいです。


2~3ヶ月に1回くらいの頻度で、生徒さんの中には築古のものに20〜25年融資を引く人もいますが、日本政策金融公庫などの一般的な金融機関ですと10~15年ぐらいが目安になります。


耐用年数をオーバーした築古を買うことになるので、家賃6万円で計算してみます。返済で毎月2~3万円ぐらい出ていって、返済比率で言うと50%ぐらいに収めるのがギリギリです。


利回りが20%あってもそこから火災保険とか固定資産税を月割りで計算していくと頑張って月に残せるのが1万5000円~2万円ぐらいになります。融資条件がいいと15年に伸びる場合もありますが、これでギリギリ毎月2万5000円が手残りになるような状態になります。


運営中に火災保険でまかなえないような修繕などが発生するとさらに出費がかさむので、1万5000円~2万円5000円は残したいですね。これらを逆算して利回りで表現すると20%ぐらいは必要になってくると思います。


他の大家さんのコラム等を見て勉強されている方もいらっしゃると思いますが、いわゆる「持たざる者」から始めて不動産事業が大きくなっている方は数多くいれど、最初から10~11%の戸建ては買っていないケースが多いです。


利回りが高い理由は、基本的に物件に問題があるからです。ボロボロであるとか古いとか、それを解決していく中でキャッシュを貯めてだんだん大きくなっていくものですが、20%をクリアして買っていくとキャッシュも赤になりません。



P/Lの観点で考えても答えは同じ


もう1つの考え方として、キャッシュだけじゃなくP/L(※損益計算書のこと。キャッシュフロー資金の流れを表す数字の一方、企業の収益性を表す数字のこと)という視点もあります。


PLの観点から考えると、12~13%とかの戸建てを買ってきちんと返済するとキャッシュが残りませんし、決算書を黒にするのがかなり難しいラインになってきます。


突発的な修繕などが発生せず、運営がうまくいけばP/Lを黒にすることは可能ですが、実際には様々な出費があります。ボロ物件を買っている分修繕リスクも上がってくるので、利回りが20%に満たないと決算を黒にするのも難しくなるというのがきこりの見方です。


やはり不動産「事業」なので、拡大していくためには最初の方の黒字というのが重要になります。そのため、利回りベースでいくと20%を目指して買うことを推奨しています。


きこりが「20%!」と連呼する中、「他の人に買われちゃうんです」という声も聞こえてきますが、それは本当にその通りです。いわゆる投資家の方や、利回り12~13%でOKという人などが現れ、指値交渉をしている最中に買い負けるケースもあります。


ただ、きこりとしては「そういった物件はもう買えなくていい」というスタンスです。やはり高い価格で買っても自分が事業として回らないので拡張性がないためです。


今後法人の規模を大きくしていくのも難しいので、利回り20%を目標に頑張ったものの18%になってしまったという経緯であればまだ許容できる場合がありますが、それでもやはり数字を見てキャッシュフローが赤にならないか、P/Lを黒にできそうかを見て判断すべきだと思います。



不動産物件を割高で買うとどうなってしまうのか


物件を高い価格で買ってしまういわゆる「投資家」の方を見ていると、購入物件が数年後にそのまま再販されるケースをよく見ます。理由は、その物件を料理できないからです。


購入してもリフォームの費用が捻出できなくなっているだとか、頑張ってリフォームしたけれどもその分を取り戻したいので賃料を安くできないといった状況に陥るケースがしばしば見られます。すると、結局売りに出すしかないということで、また市場に戻ってくるという結果になります。


市場に戻してそこでまた費用と売値の乖離がつけばいいですが、乖離がつかないとずっと物件を寝かすしか選択肢がなく、どんどん値段を下げていく。空室もその間に勝手に埋まることはないので、結局、損をすることになります。


すごくリフォームの技能があるとか、建物を見た時に修繕費用の概算がわかるとか、立地についてすごく詳しいとか、そもそもキャッシュが多くある持たざる者じゃない人たちが、あえて買ったのであればまだ健康的に続けていけると思いますが、持たざる者の人たちはそうはいきません。


自己資金をたくさん増やすよりスキルをつける方が難易度が低い。自己資金を貯める方が大変なので、それであればスキルをつけて物件を選定して、リフォームコストをコントロールして事業を作っていって、利回り20%の物件を仕上げていくという工程が必要になると思います。



利回り20%以下は一律NGではない


ここまで結構厳しいことを言っていると思います。


この物件だったら20%じゃないんだけど「18%なんですけどどうですか?」「16%だったらどうですか?」という質問は生徒さんからたくさんいただきます。


それを一律にきこりが「No!」と言ってるかというと、実際そうではありません。持たざる者とはいえ自己資金の割合も違いますし、自分の目標設定も違うのでその人に合わせて個別に回答をしています。


例えば、その物件を買うとその地域の大きい信用金庫を開拓できて取引ができるのであれば、キャッシュフローが月に戸建てから2万~2万5000円出るのを少なくして、返済比率が57~58%でも購入に踏み切るケースもあります。


銀行を開拓することで返済実績が生まれて、きちんと決算を黒にしていけばその次の拡張が見えるので、利回りが20%いかなくても取り組む時はあります。


他には融資条件がいい時に買うケースもあります。融資条件が良いため、利回りが20%なくて15%でもキャッシュフローが3万円も出る場合や、返済比率が30%台になる場合であれば買うこともあります。


人と物とお金という融資条件が揃った時には20%未満の物件を買ってもいい判断を出す時あれど、基本的に物件購入時はベースとして利回り20%を確保して黒字を作り、次に繋げていくのが重要になります。


拡張性を生むためにも高利回りの不動産を目指そう


利回りを20%作るのはすごく大変です。大変な割には戸建てだと1~2万円のキャッシュしか残りません。その額ですと割に合わないなと感じてしまいますが、そこで終わらせると確かに割に合わないと思います。


ただ、そこで身に着けたスキルや工務店さんとの関わり合いなど、そういったものを生かしてその次に活かしていく。


また同じように戸建てを買っていってもいいし、物件規模を大きくして次はアパートに挑戦してみたり、そういったステップを踏んでいく中で雪だるま式に大きくしていけるのが不動産事業のいいところです。そのために利回り20%っていう数字にこだわって拡張してほしいなと思っています。


「なんで利回り20%にこだわるの?」という内容でお伝えしましたが、端的に言うとキャッシュが赤になるし拡張性がないというところになります。 人と物とお金の条件によっては利回りが20%を割ってもいいですが、覚えておくべきはそれが規模拡大に寄与するか。そういった部分を判断の基準にし、物件探しやリフォームコストのコントロールを頑張ってほしいなと思います。



 

「不動産の民主化」を進めるスタートアップをやっています

ブログの筆者/きこり

北海道出身、元総合商社勤務。2014年から賃貸経営を始め、7年間で家賃収入が約1憶円を突破。現在は福岡県在住で不動産テック企業「株式会社ヤモリ」を経営し、賃貸経営の知見を活かして一般の会社員や主婦の方々向けに不動産による資産形成を寄り添って支援するサービス「ヤモリの学校」と「ヤモリの家庭教師」を提供しています。


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